技術コラム

生成AIで社内向け画像加工ツールを短時間開発|ホームページ掲載写真の圧縮・顔ぼかしを効率化した事例

この記事のポイント

ホームページ掲載用写真の加工を効率化したいなら、必要な機能だけに限定した専用ツールを用意するのが有効です。今回、画像のリサイズ・圧縮と顔ぼかしを行う社内向けツールを生成AIの支援を受けて短時間で開発し、社内の非エンジニア部門でも扱いやすい作業環境を整えました。

要点サマリ

ブログやホームページに写真を掲載する際は、Web表示に最適なサイズへの調整と、人物写真に対する個人情報配慮が必要です。しかし、Photoshopのような汎用ツールは高機能な反面、定型的な写真加工には操作負担が大きい場合があります。
そこで当社では、画像の一括リサイズ・圧縮と顔ぼかしを1つの画面で実行できる専用ツールを、生成AIを活用して短時間で開発しました。実際のブログ記事の写真加工でも活用しており、定型的な写真処理が必要な業務であれば応用しやすい事例となっています。

用語解説

  • 画像圧縮:画像の見た目を大きく損なわない範囲で、ファイルサイズを小さくする処理。Webページの表示速度向上と、サーバー容量節約に役立つ。
  • リサイズ:画像の縦横の大きさを変更する処理。ホームページ掲載では、表示に適した幅や高さに調整するために実施。
  • 顔ぼかし:写真に写った人物の顔など、個人が特定される可能性のある部分をぼかす処理。個人情報保護対策として重要。
  • GUI:Graphical User Interfaceの略。ボタンや入力欄、メニューなどを使って画面上で操作できる仕組み。コマンド入力に不慣れな人でも扱いやすいのが特徴。
  • Photoshop:Adobe社が提供する画像編集ソフト。高機能な画像加工ができる反面、定型的な写真処理には不要な機能が多く、非エンジニア部門の利用者の操作負担が課題となる。
  • Python:プログラムを作成するための言語の一つ。画像処理や自動化ツールの開発にも使用される。
  • Tkinter:PythonでGUI画面を作成するための標準ライブラリ。今回はデスクトップアプリの画面作成に利用。
  • OpenCV:画像処理やコンピュータビジョンに使われるライブラリ。今回は写真内の顔を検出する処理に利用。
  • HEIC:iPhoneなどで使われることが多い画像形式。高画質のままファイルサイズを抑えやすい一方、環境によっては対応ソフトが必要となる。
  • 生成AI:章、画像、プログラムなどを生成・修正するAI。今回は、Codexを通じて短時間でツールを開発するために活用。
  • Codex :プログラムコードの作成・修正を支援する生成AI。今回は、ツールの実装、エラー修正、基本的な確認作業の効率化に活用。

なぜホームページ掲載用写真の加工ツールが必要だったのか

ホームページ掲載用写真の加工では、画像サイズの調整と人物写真の個人情報配慮が欠かせません。これは定型作業であり、Photoshopなどの汎用ツールを用いるほど複雑ではないため、非エンジニア部門でも簡単に使える仕組みが必要でした。

解説
ブログに写真を掲載する際は、ページ表示に最適なサイズへの調整や、人物の顔に対するぼかし処理が必要です。これらは高度なデザイン作業ではなく、毎回ほぼ同じ手順で行う定型業務です。

しかし、既存の高機能な画像編集ソフトは、必要以上に操作項目が多く、習熟していない利用者にとっては負担になる場合があります。特に、管理部門といった非エンジニア部門でも扱えることを重視すると、「必要な機能だけを、迷わず使えること」が重要でした。

そこで、ホームページ掲載前の加工に必要な機能のみに限定した専用ツールを開発する方針としました。

画像のサイズ調整、顔ぼかし、最終確認を経てブログに掲載するまでの流れを示した図

開発したツールで何ができるのか

今回開発したツールは、画像の一括リサイズ・圧縮と顔ぼかしを1つの画面で行えるGUIツールです。自動化だけでなく手動修正にも対応することで、実務における柔軟性と正確性を両立させました。

解説
このツールはPython(Tkinter)で作成したデスクトップGUIアプリで、JPG / JPEG / PNG / HEIC形式の画像に対応しています。

リサイズ・圧縮機能では、入力フォルダまたはファイルを指定し、幅・高さ・最大ファイルサイズ・JPEG品質などを設定して一括処理できます。

顔ぼかし機能では、OpenCVによる自動顔検出で検出した顔の範囲にぼかしを適用できます。また、自動顔検出は画像条件によって取りこぼしや誤検出が起こる可能性があるため、マウスで任意の範囲を囲ってぼかしを追加できる手動修正機能も実装しました。

画像リサイズ・圧縮ツールの操作画面

生成AIを活用して、実装から動作確認まで短時間で進めたポイント

今回の開発では、Codexに実装と基本動作確認を任せることで、開発工数を大きく抑えました。一方で、GUIの操作性に関わる部分は実際に人が動かしながら確認し、細かな修正指示を重ねたことで、約2時間で実務に使える状態まで仕上げました。

解説
今回のツール開発では、開発効率を最優先に掲げました。
そこで、生成AIであるCodexに対して、まず「ホームページ掲載用写真のリサイズ・圧縮・顔ぼかしを行うGUIツールを作成する」という要件を伝え、実装と基本動作確認を進めました。

Codexに対して、まず「HP掲載用写真のリサイズ・圧縮・顔ぼかしを行うGUIツールを作成する」という要件を伝え、実装と基本的な動作確認を依頼している図

Codexを活用したことで、画面構成の設計、画像処理の実装、エラー診断と修正、基本動作確認といった工程を短時間で進めることができました。特に、プログラムの構文エラーや実行時エラーの修正は、Codexに原因を診断させながら対応できるため、試行錯誤の時間を大幅に削減でき、開発効率が飛躍的に向上しました。

ただし、GUIの操作性に関わる部分は、AIに任せきりにせず、人による確認を必須としました。実際に画面を起動し、画像を選択して処理を試しながら、入力項目の分かりやすさ、ボタン配置、処理完了メッセージ、保存時の動きなどを人が確認しました。そのうえで、「この表示では利用者が迷いやすい」「処理結果をもう少し分かりやすく出したい」といった改善点をCodexに追加で指示し、修正を反映させました。

このように、実装と基本動作確認はCodexに任せつつ、利用者目線での使いやすさは人が判断する進め方にしたことで、開発工数を抑えながら完成度を高めることができました。
結果として、わずか約2時間で社内実務に活用できるツールを開発し、実際の運用に使える状態まで整えることができました。

実際のブログ写真加工で分かった、専用ツール化の効果

開発したツールは、実際にブログ掲載用写真の加工で活用しました。写真掲載前に必要なサイズ調整や顔ぼかしをまとめて処理できるため、定型的な画像加工業務の効率化に応用しやすい事例です。

解説
開発したツールは、ブログ記事「2026年春のお食事会を開催しました。」に掲載する写真の加工で実際に使用しました。この記事では、2026年4月3日に開催された食事会の様子を紹介しており、複数の人物が写った写真を掲載するにあたって、画像サイズの調整と個人情報への配慮が必要でした。

今回のようなイベント写真の掲載では、単に画像を縮小するだけでなく、「Webページでの表示に最適な画像サイズ・ファイル容量に調整すること」と「人物の顔を検出し、必要に応じてぼかすこと」の両方が求められます。専用ツールを使うことで、これらの作業を1つの画面で進められるようになり、作業手順を分かりやすく整理できました。

さらに、手動でのぼかし追加機能も搭載しているため、公開前の最終確認にも対応しやすくなっています。これは、社内イベント写真だけでなく、採用ページ、業務紹介、ニュース記事など、人物写真を扱うさまざまなホームページ更新作業にも応用できます。

画像リサイズ・圧縮ツールの操作画面

この事例から、日常的に発生する小さな定型作業でも、専用ツール化によって作業のばらつきや確認負担を減らせるということが分かります。大規模なシステム開発でなくても、生成AIを活用して小さな業務改善ツールを作ることで、現場に合った効率化を進めることができます。

FAQ

Q1:自動顔検出だけで十分ですか?
A:いいえ、公開前の最終確認は必須です。
顔の向き、明るさ、解像度などの条件により、自動検出には取りこぼしや誤検出が生じる可能性があります。

Q2:なぜPhotoshopなどではなく専用ツールを作ったのですか?
A:定型的な掲載前処理に必要な機能だけに限定することで、操作負担を減らすためです。
高度な画像編集ではなく、サイズ調整・圧縮・顔ぼかしが中心であるため、専用ツール化の効果がありました。

Q3:今後はどのような場面で活用できますか?
A:社内イベント、採用情報、業務紹介など、人物写真を扱うあらゆるコンテンツの掲載前処理に活用できます。
複数枚の画像をまとめて処理したい場面で特に有効です。

まとめ

本記事では、ホームページ掲載用写真の加工を効率化するために開発した、画像リサイズ・圧縮・顔ぼかしの専用ツール事例を紹介しました。
必要な機能だけに限定した専用ツールにすることで、非エンジニア部門でも扱いやすい形で定型業務を支援できます。また、生成AIを活用することで、開発工数を抑えながら短時間で実務投入できるツールを整備できました。

まずは、社内で繰り返し発生している小さな定型作業から、専用ツール化の可能性を検討してみてはいかがでしょうか。

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