技術コラム

2025年度設備投資|GIS・3D都市モデル処理環境とローカル生成AI環境の強化

この記事のポイント

2025年度、当社ではGIS・3D都市モデル処理環境の強化およびローカル生成AI環境の構築を中核とした設備投資を実施しました。FMEを活用した地理空間データ処理の高度化と、生成AIのプライベート活用を通じ、地理情報分野でのソリューション提供力を飛躍的に向上させることを目的としています。

要点サマリ

当社は、地理情報分野でのサービス強化を課題として、GIS・3D都市モデル処理環境の構築と、セキュアなローカルLLM環境の導入を実施しました。
NVIDIA Blackwell GPU搭載の高性能AI推論サーバーおよび複数台の高性能GPU搭載ワークステーションの導入により、大容量地理空間データの処理速度が大幅に向上し、複雑な都市空間データの3Dレンダリングをリアルタイム処理できる環境が実現しました。
これにより、GIS・3D都市モデル分野でのソリューション提供力強化、セキュアなビジネス環境の構築、業務効率化が実現しました。

用語解説

  • GIS:地理的データを収集・分析・表示するシステム。地図情報と属性データを統合して空間的な分析が可能。
  • 3D都市モデル:建物や地形を3次元で再現した都市全体のデジタルモデル。都市計画や災害シミュレーションに活用。
  • FME:地理空間データを含む多形式データを抽出・変換・ロードするETLツール。
  • 生成AI:機械学習により、テキストや画像などを自動生成する人工知能。ChatGPTなどが代表例。
  • LLM:大規模な言語データで学習した人工知能モデル。自然言語の理解と生成に優れている。

ローカル生成AI環境でセキュアなAI活用を実現

当社はプライベートLLM環境を構築することで、ビジネス機密を保護しながら生成AIを活用できる体制を整えました。NVIDIA Blackwell GPU搭載のDell Pro Max GB10(FCM1253)を導入し、セキュリティを確保しながら、高度なAI推論を行うことができます。

解説
Dell Pro Max GB10は、NVIDIA Grace CPUとBlackwell GPU、128GBメモリを搭載する企業向けAI推論専用サーバーです。地理空間データ分析における知見を社内に蓄積できるプライベート環境により、顧客情報を外部に送信することなく、生成AIの活用が可能になります。複雑なデータ分析タスクもリアルタイムで処理でき、地理情報分野における社内ノウハウをLLMに学習させることで、カスタマイズされたAI推論エンジンの構築が期待できます。

このセキュアな環境により、お客様の機密情報を社内で厳格に管理しながら、高度なAI分析サービスをご提供できるようになりました。

3D都市モデル処理能力を大幅強化

Dell タワー プラス EBT2250を5台導入することで、3D都市モデルの処理・可視化能力を飛躍的に向上させました。各機器にCore i7プロセッサと64GBメモリ、NVIDIA RTX 5060 Ti GPUを搭載しており、複雑な都市空間データの3Dレンダリングをリアルタイム処理できます。

解説
従来のCPU単体処理では8~10時間かかっていた大規模3D都市モデル生成が、GPU搭載環境では1.5時間程度で完了するようになりました。これは約1/6~1/7の時間短縮であり、複数プロジェクトの並行処理も可能になっています。FME環境の高性能化により、大容量の地理空間データを高速に変換・処理できるようになり、これまで数時間を要していた大規模データセットの処理が数分以内に完了するようになりました。

このため、プロジェクトのターンアラウンドタイムが大幅に短縮され、急な仕様変更や追加分析のご依頼にも迅速に対応できるようになりました。より高品質で、納期に余裕を持ったサービスをご提供します。

作業効率向上と業務環境の近代化

Pro27モニター(P2725H)を10台導入し、3画面構成のマルチディスプレイ環境を実現しました。複雑な地理空間データの編集や分析において、複数の情報を同時表示できるため、作業効率が向上します。

解説
3Dビューアー、GIS属性テーブル、メタデータエディタを左・中央・右に並べて同時表示できるようになり、ウィンドウの頻繁な切り替えが不要になりました。3D都市モデルの検証作業時間が大幅に削減され、視認性の向上により従来は見落としていた細かなエラーが早期発見できるようになっています。

同時に、Windows 10サポート終了への対応として、HP 245 G10 Notebook PC 15台を導入し、全社的なOS更新を完了しました。Windows 11搭載により、Secure Boot、TPM 2.0などの最新セキュリティ機能が備わるとともに、GIS分析ソフトの処理が高速化され、より高度な業務処理が可能な環境へ移行できました。

段階的な設備構成で総合的な業務環境を実現

AI推論専用サーバーから一般業務用PCまで、段階的な機能を備えた設備を導入しました。タスクの複雑度と機動性に応じた設備構成により、全社員が適切なツールで効率的に業務を遂行できる環境が実現しています。

解説
この度、導入した機器類の一覧が以下です。

設備導入一覧(一部抜粋)

機器名

数量

主な用途

特徴

Dell タワー プラス EBT2250

5台

3D・生成AI処理

Core i7/64GB/NVIDIA RTX 5060 Ti

Dell Pro Max GB10(FCM1253)

1台

ローカルLLM・AI推論

NVIDIA Grace CPU/Blackwell GPU/128GB

Dell Pro27モニター(P2725H)

10台

マルチディスプレイ環境

3画面対応

DAIV KM-17G6T

1台

クリエイティブワーク

高性能モバイルワークステーション

HP 245 G10 Notebook PC

15台

一般業務・標準環境

Windows最新OS対応

Lenovo Tab K11

6台

タブレット業務

モバイル端末強化


このように、最高性能層から標準層、モバイル層まで階層的に設備を構成することで、全社員が適切なツールで効率的に業務を遂行できる総合的な業務環境が整いました。

FAQ

Q1:ローカルLLM環境とクラウドベースのAIサービスの違いは何ですか?
A:ローカルLLM環境はビジネス機密を社内で保護しながらAIを活用でき、クラウドサービスは初期投資が少なく汎用的です。
地理空間データなど機密性の高い情報を扱う場合はローカルLLMが適切です。

Q2:タブレット端末(Lenovo Tab K11)の導入目的は何ですか?
A:現場調査時のリアルタイムデータ確認・簡易入力、屋外での地図確認を目的としています。オフィスで作成したGISデータを現場で即座に参照でき、フィードバック情報をその場で記録できます。
フラインモード対応により、電波が不安定な現場でも動作します。

まとめ

当社は2025年度、GIS・3D都市モデル処理環境とローカル生成AI環境の構築に投資しました。これらの設備強化により、下記のような効果が得られました。

  • 処理時間の大幅短縮:3D都市モデル処理が従来の1/6~1/7の時間で完了し、納期の短縮が可能に
  • セキュアなAI活用:お客様の機密データを社内で厳格に管理しながら、高度なAI分析サービスを提供
  • 迅速な対応:急な仕様変更や追加分析のご依頼に、これまで以上に素早く対応可能
  • 高品質な成果物:マルチディスプレイ環境と最新ハードウェアによりエラー検出精度が上がり、品質が向上

地理空間データの分析、3D都市モデルの構築、複雑なGIS処理など、より高速でより高品質に、より安全なサービス提供ができるようになりました。

ぜひこの機会に、プロジェクトのご相談など、お気軽にお問い合わせください。

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