この記事のポイント
AIが提案したLLMO対策をWordPressで実装した結果、スコアが29点から32点に改善されました。成功のカギは、AIの診断だけに頼らず、複数のツールで検証し人間が最終判断することです。本記事では、その具体的な実装プロセスと工夫をご紹介します。
要点サマリ
前回のAIによるLLMO診断スコアリングを踏まえ、今回は提案された「Organization+WebSiteのJSON-LD実装」を実際に試しました。WordPressのプラグイン「WPCode」を使用してJSON-LDコードをヘッダーに挿入し、Googleのリッチリザルトテストで検証しました。構文エラー発生時には、AIが誤った原因を指摘したため、JSON構文チェッカーで正確に特定し修正しました。この実装により総合スコアが32点に向上し、AIの支援と人間による検証の両立の重要性が実証されました。
用語解説
- LLMO:Large Language Model Optimizationの略。自社Webサイトが生成AIに正しく認識・引用されるよう最適化する取り組み。
- 構造化データ:Webページのコンテンツを、Schema.orgなどの標準ルールに基づいて体系的に整理したもの。
- Schema.org:構造化データを書く時の標準ルール集。
- JSON-LD:構造化データを実装するための記述フォーマット。HTML 内に埋め込むことで実装でき、複数の実装方法の中で Google が最も推奨する方式。
- リッチリザルトテスト:Googleが提供する構造化データの検証ツール。URLを入力することで、JSON-LDなどの構造化データが正しく実装されているか、構文エラーがないかを検証する。
- JSON構文チェッカー:JSONコードの構文エラーを詳細にチェックするツール。エラーの行番号を特定でき、より正確な修正が可能。
AIによるLLMO対策の実装とは
前回のブログでは、AIによるスコアリングと実装例の提案をご紹介しました。本記事では、AIから提案された実装例を実際に試してみた過程と、スコアリングがどのように改善されたかをご紹介します。
解説
今回実装するのは、AIが提案した「具体的な実装例」のうち、「構造化データ(高優先度)」に分類される「例1:トップページにPerson+WebSiteを追加(JSON-LD)」です。

AIに具体的な実装手順を提示させることで、初心者でも対策を進めることができます。
本記事では、実装プロセスの詳細、構文エラーの発見と修正、そして最終的なスコアリング改善までの一連のステップをご紹介します。同様の課題に取り組む方の参考になれば幸いです。
WordPress環境でのJSON-LDコード作成とAIによる精査
実装を進めたい内容について、AIに具体的な手順の説明を依頼しました。当社はWordPressを使用しているため、WordPress環境での実装手順を改めて依頼しました。さらに、提示されたJSON-LDコードが個人向けのサンプルだったため、法人サイト向けに書き換えも指示しました。
解説
まず、実装を進めたい内容について、AIに具体的な手順の説明を依頼しました。
すると、最初の回答より具体的で詳細な内容が提示されました。
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ただ、当社では「WordPress」を使用しているため、WordPress使用者向けの説明を依頼しました。
このWordPress向けの説明に基づいて、実装を進めていきます。
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まず、提示された「事前準備:Person用JSON-LDコードを作る」を実施します。
AIが提供したサンプルコードは個人(Person)向けの構造であったため、法人(Organization)向けにカスタマイズを依頼しました。
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サンプルのコードに実際の当社情報を反映させ、AIに精査を依頼しました。
一項目ずつ精査され、問題ないと評価されたので、この内容で進めます。
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プラグイン導入とコード実装、構文エラーの検出
作成したJSON-LDコードを反映するために、プラグイン「WPCode」をインストールし、作成したコードをヘッダーに実装しました。実装後、Googleの「リッチリザルトテスト」でチェックを行った結果、「解析不能な構造化データ」というエラーが検出されました。
解説
作成したJSON-LDコードを反映するために、次の作業項目である「プラグインで『head にコードを入れる場所』を作る」を実施します。
下記プラグイン「WPCode – Insert Headers and Footers + カスタムコードスニペット – 」をインストールしました。

プラグイン有効化後の手順をAIに確認しました。
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説明に従い、WordPressで処理を進めます。
- 「コードスニペット」の「ヘッダーとフッター」を開く。
- ヘッダーの入力フォームに、作成したJSON-LDコードをコピーアンドペースト。
- 変更を保存。

次に、正しく反映されているかを確認するため、Googleの「リッチリザルトテスト」でチェックを行います。当社ホームページのURLを検索フォームに入力し、テストを実行します。

すると、「解析不能な構造化データ」として、構文エラーがあることがわかりました。

エラー詳細を確認したところ、下記のハイライトされた箇所が原因となっているようです。

「リッチリザルトテスト」の結果のキャプチャをAIに共有して、エラーの解消方法を確認します。「“addressCountry”のキー名が引用符で囲まれていない」ことが原因であると指摘されましたが、実際には別の箇所にエラーがあると判断し、「JSON構文チェッカー」で確認することにしました。
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しかし、実際には別の箇所にエラーがあると判断し、より詳細な検証ツールであるJSON構文チェッカーを使用することにしました。
JSON構文チェッカーによる正確なエラー特定と修正
JSON構文チェッカーを使用して検証したところ、16行目に明確なエラーが表示されました。AIの指摘とは異なる箇所にエラーがあることが判明し、その結果をAIに共有することで、正確な修正版コードを作成させました。
解説
より詳細な検証のため、JSON構文チェッカーを使用してコードを検査しました。その結果、16行目に明確なエラーが表示されました。

「JSON構文チェッカー」の結果をAIに共有して、エラー原因の分析と修正版コードの作成を依頼しました。エラーの原因は「https://x.com/AIS_official_jp”の後の”,”が不要」であると特定され、それを削除したコードが作成されました。
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修正版コードを再度「JSON構文チェッカー」にかけると、当該エラーが解消されたことがわかりました。

プラグインに修正版コードを反映して保存し、「リッチリザルトテスト」を再実施します。
結果、構文エラーが解消され、すべて有効となっていました。

このプロセスを通じて、「複数のツールでの検証→AIによる分析→人間による判断」というサイクルが、正確かつ効率的な問題解決に有効であることが実証されました。
スコアリング改善と今後の課題
実装完了後、AIに再度スコアリングを依頼したところ、総合スコアが29点から32点に改善されました。この3点の改善により、1つの構造化データ実装がどの程度の効果を持つかが数値でわかるとともに、LLMO対策を段階的にすすめることの有効性が実証されました。
解説
実装が完了したので、AIに再度スコアリングを依頼します。
総合スコアは、29点から32点まで向上しました。
「Organization+WebSiteのJSON-LD」を追加したことで、生成AIがWebサイトの内容をより正確に認識するようになりました。それと同時に、「Person」「Service」スキーマや「FAQ」セクションの追加など、新たな課題とその実装例も提示されました。
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今回の改善により、生成AIがWebサイトの内容(運営組織と提供サービスの関連性)をより正確に認識できるようになったと考えられます。それと同時に、AIからは今後の課題として「Person」「Service」スキーマの追加や「FAQ」セクションの構造化など、さらなる最適化の提案も提示されました。
この段階的な改善プロセスにより、LLMO対策は一度に大きな改善を目指すのではなく、優先度の高い施策から順次実装し、随時効果を測定することが、効率の良い進め方であることがわかりました。
FAQ
Q1:JSON-LDの実装は専門知識が必要ですか?
A:本記事で示したように、AIのサポートを受けることで初心者でも実装可能です。ただし、AIの回答を鵜呑みにせず、リッチリザルトテストなどの検証ツールで最終確認することが重要です。
また、複雑なスキーマの場合は、専門家による確認をお勧めします。
Q2:構文エラーが出た場合、どう対処すればよいですか?
A:まずリッチリザルトテストで大まかなエラー箇所を確認し、より詳細なJSON構文チェッカーで正確な行番号を特定することをお勧めします。AIの指摘が常に正確とは限らないため、複数のツールでの検証が有効です。
エラーは通常、括弧やカンマの誤りが原因であることが多いです。
Q3:スコアが改善されない場合はどうしたらよいですか?
A:複数の構造化データを段階的に実装することが効果的です。本事例では1つの実装で3点改善されたため、複数の項目を順次実装することで、より大きな効果が期待できます。
まとめ
AIが提案した実装例を実際に試すことで、LLMO対策の効果的な進め方が実証されました。コードや画面キャプチャをAIと共有しながら進めることで、初心者でも正確な実装が可能になります。
本記事で学んだ重要なポイントは以下の3つです。
- AI + 専用ツール(複数)の組み合わせが効果的 :AIだけでなく、リッチリザルトテストやJSON構文チェッカーなど複数のツールで検証することで、より正確な判断が可能
- 人間による最終判断の重要性 :AIが誤った診断をすることもあるため、人間が検証結果を確認し、判断することが不可欠
- 段階的な実装による効果測定 :スコアリングを活用して各実装の効果を測定し、優先度の高い対策から順次実装することが効果的
今後も、このようなAIとの協働作業を通じて、より効果的なLLMO対策を進めていきます。
次の取り組みもご紹介予定ですので、ご期待ください。
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