GIS・3D

GISの基本から活用まで|できること・活用シーン・導入の進め方

GIS(地理情報システム)は、地図上の位置情報にさまざまなデータを重ねて可視化・分析し、地域や空間に関する課題把握や意思決定を支援するシステムです。

近年、GISは自治体や企業などさまざまな現場で活用が広がっていますが、
「そもそもGISとは何か」
「GISで何ができるのか」
「自社の業務にどう活かせるのか」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、GISの基本から、活用シーン、導入の考え方、関連する技術やサービスまでを分かりやすく整理しました。
GISの概要をつかみたい方や、自社業務への活用を検討している方の参考になれば幸いです。

GISとは何か?基本の考え方と紙地図・地図ツールとの違い

まずはGISの基本を整理し、紙地図や地図ツールとの違いを通じて、業務でどう役立つのかを解説します。

GISの基本的な考え方

GISは、「どこにあるのか」という位置情報と、「何があるのか」という属性情報を組み合わせて管理できる仕組みです。
たとえばガス配管の管理では、次のような使い方ができます。

  • 地図上の配管をクリックすると、材質・敷設年・メンテナンス履歴などを確認できる
  • 「敷設から50年以上」などの条件で検索し、該当する配管を地図上で強調表示できる

このように、GISを使うと「どこに、どんな課題があるのか」を把握しやすくなり、対応の優先順位を考えやすくなります。

GISと「紙地図」の違い

同じ地図でも、GISと紙地図には次のような違いがあります。

比較項目GIS紙地図
位置把握直感的にわかりやすい直感的にわかりやすい
データ管理地図と情報を一元管理できる地図と情報が分かれている
空間分析距離・範囲・分布を分析できる位置関係などの分析はできない
更新しやすさデータの更新・反映が容易更新のたびに作り直しが必要

GISと「地図ツール」の違い

GISと混同されやすいものに、「地図ソフト」や「地図表示アプリ」があります。

  • 「地図ソフト」「地図表示アプリ」(Google Map、Mapboxなど):地図を表示・閲覧するためのツール
  • GIS(Arc GISなど):位置情報を統合・管理・分析できるシステム

GISは、地図を見るだけでなく、データを組み合わせて分析・活用できるのが特徴です。
さらに、業務で使うような複雑な分析や管理にも対応しやすく、用途に応じて柔軟にカスタマイズできます。

GISでできること|当社が支援できる業務

では、GISを使って実際にどのような処理や仕組みづくりができるのでしょうか。
当社がご支援可能なGIS業務を一部ご紹介します。

地理情報データの整備・変換

お手持ちのCAD図面、紙地図、点群データなど、多様な形式のデータを、GISで分析・活用できる形式に整備・変換します。

  • 紙図面やPDFのジオリファレンスによるGISデータ化
  • CAD(DWG/DXF)、Shapefile、GeoJSON等のフォーマット変換
  • FMEを用いた柔軟なデータコンバート(直接変換できない形式にも対応)
  • Excel/CSVの住所・座標データの地図化

3D都市モデル・PLATEAU活用

PLATEAU公開仕様に準拠したLOD2〜LOD4モデルの作成実績があります。
点群データや設計図から3Dモデルを構築し、都市計画やインフラ管理の基礎データとして活用いただけます。

  • LOD2・LOD3・LOD4モデル作成(建築物、道路、トンネル、地下街等)
  • 埋設管の3D化による干渉チェック・可視化
  • 道路分断処理等、3D都市モデル標準仕様に沿った自動処理
  • FMEによる3D都市モデルデータの変換・加工

GISデータ分析・解析

地図データを活用した分析・解析により、都市計画や防災、設備管理の意思決定を支援します。

  • 住所ジオコーディングによる設備情報・顧客情報の空間管理
  • 到達圏解析(緊急車両配置等への活用実績)
  • 都市計画基礎調査(土地利用現況・建物利用現況)
  • ハザードマップの制作(データ整備からデザイン・印刷まで一貫対応)

都市インフラ事業者向けGISソリューション

都市ガス・プロパンガス・上下水道など、インフラ事業者様の業務に特化したシステムを自社開発・提供しています。

  • MASTER MAP Neo(都市ガス事業者向けGIS、全国50以上の事業所への導入実績)
  • LPガス事業者向け営業支援システム(LGIS)
  • ガス・水道随伴システム(随伴工事候補の自動抽出)
  • 車両式ガス漏洩調査用カーナビゲーションシステム
  • インフラ構築(サーバ選定・ネットワーク環境構築を含む)


当社のGIS業務全体のサービス内容については、こちらのページでもご紹介しています。
GIS – アサミ情報システム株式会社|GIS/3D/CityGML

より技術的な解説を読みたいという方は、以下技術コラムもご参照ください。
ラスタタイルの作成方法とは?GDALの基本手順とGUIツール化の進め方を整理
ArcGISとQGISでレイアウトやレイヤー設定はどこまで相互に再現できる?互換性と運用上の違いを整理
ArcGIS ProにPLATEAUの3D都市モデルを読み込み、可視領域を解析する方法

PLATEAUのCityGMLから屋根の3D表面積をFMEで集計し、建物属性に付与する方法

GISの主な活用シーン

次に、GISが実際にどのような業務で活用されているのかをご紹介します。
ご自身の業務に活用できそうな使い方がないか、イメージしながらご覧ください。

防災・危機管理業務

浸水想定区域などの防災情報を地図上に可視化し、住民周知や庁内の防災計画に活用できます。

  • ハザードマップを作成し、住民向け配布資料として活用
  • 浸水想定区域と施設・住宅データを重ね合わせ、リスクの高いエリアを特定
  • 防災計画の見直しや避難計画の検討資料として活用

埋設設備の情報公開

埋設設備の位置をWebGISで閲覧できるサービスを他社に提供し、他社による掘削工事での埋設設備の損傷事故を予防できます。

  • 会員制のWebGISで、埋設設備の位置を地図上で閲覧可能
  • 閲覧者側で埋設設備の位置を把握し、損傷しないように工事計画を立案
  • 自社・他社の埋設設備の位置を一元管理し、工事時期を合わせて道路舗装工事を合理化

まちづくり・都市開発の合意形成業務

3D都市モデルを使って、開発計画や景観を関係者・住民にわかりやすく提示できます。

  • 完成予想を3Dで可視化し、住民説明会や合意形成の場で活用
  • PLATEAU準拠モデルで自治体・他事業者ともデータを共有・連携
  • メタバース空間やWebGISへの展開により、遠隔地からの合意形成にも対応

顧客・設備管理業務

住所や座標をもとに顧客・設備情報を地図上で管理し、リスク対象の抽出や点検計画に活用できます。

  • 管理台帳の住所データから地図上に顧客・設備位置を可視化
  • 浸水想定区域と重ね合わせ、法令対応が必要な対象(例:LPガス充てん容器)を抽出
  • 点検・営業ルートの計画立案に活用

拠点計画・緊急対応業務

ある地点からの到達圏を可視化し、緊急車両の拠点配置や対応体制の検討に活用できます。

  • 指定時間内に到達可能なエリアを算出し、サービス圏を可視化
  • 圏内の人口・設備数をもとに拠点や人員配置を検討
  • 緊急車両の配置計画など、対応体制の最適化に活用


このほかにも、都市計画、物流、営業支援、不動産など、さまざまな分野でGISは活用されています。

GIS導入のステップ|最初に決めておきたいこと

実際にGISを導入する際、まずは目的や運用方法などの整理が重要です。
ここでは、導入時に押さえておきたいポイントをご説明します。

導入目的の明確化

何のためにGISを導入するのか、解決したい課題を最初に明確にすることが出発点です。

  • 業務効率化、住民サービス向上、防災対応強化など目的を整理
  • 目的によって必要なデータやソフトウェアが変わるため、早い段階で方向性を固める
  • 関係部署間で目的を共有し、認識のズレを防ぐ

対象データ・業務範囲の整理

どの業務・どのデータをGIS化するか、対象範囲を具体的に決めておく必要があります。

  • 既存の紙図面・Excel台帳など、整備対象データを洗い出す
  • 優先度の高い業務から段階的に導入する方法も検討
  • 将来的な他データとの連携も見据えた範囲設定

運用体制の検討

誰が、どのようにGISを運用・更新していくのか、体制を事前に決めておくことが重要です。

  • 更新作業を担当する部署・担当者を明確化
  • 更新頻度(月次、年次、工事都度など)のルールを設定
  • 外部委託する範囲と社内で対応する範囲を切り分け

要件定義や業務フローについては、以下「ソリューション」のページでもご紹介しています。
ソリューション – アサミ情報システム株式会社|GIS/3D/CityGML

当社にGIS業務をご相談いただく際の流れ

アサミ情報システム株式会社では、GISに関するお問い合わせをいつでも受け付けております。

「GISを使ってみたいが、何から相談してよいか分からない」という場合は、まず以下のポイントだけ整理してお問い合わせいただくと、スムーズにご提案が可能です。

  • 現在の業務フローと、GISを使って改善したいポイント
  • お持ちのデータ(図面・リスト・地図等)の有無
  • 利用を想定している人数・部署・端末(PC/タブレット等)

GISは、業務内容や目的によってさまざまな活用方法があります。
まずはお気軽にご相談ください。

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